毎日新聞大阪版夕刊に掲載されました
2021年6月4日付けの毎日新聞大阪版夕刊の「舞台をゆく」にて『星と祭』を取り上げていただきました。
記事 湖北で巡拝、井上靖「星と祭」暮らしの中に「観音さん」
動画記事 舞台をゆく 井上靖「星と祭」
取材のお話をお伺いしました時、『星と祭』に登場する観音さんのお堂のほとんどが拝観を休止(6月7日現在も変わらず)、していました。
このような中での取材、新聞掲載は難しいのではと思いました。
拝観対応ができない状況下、掲載による拝観希望者がお越しになると、村の中でトラブルに繋がってしまうのではないか。
そんなことがよぎりながらも、地元の方に今のお気持ちを伝えていただく機会になればと思いました。

2019年5月18日に石道寺で開催した「星と祭復刊PJT勧進イベント」にて。
そこで、今回お声かけしましたのは『星と祭』復刊プロジェクトの時からお世話になっています石道の守さん。
『星と祭』復刊プロジェクトでは、石道寺がある石道(いしみち)から多くのご予約をいただきました。
それは守さんによるお声かけによるもので、とても私たちの力ではできないものでした。
『星と祭』復刊プロジェクトの勧進イベントでは地元・石道の方々がたくさんお越しになり、
「イベントに参加される方も多いし、せっかくやから格子開けるで」
とあたたかいお気遣いいただきました。
※石道の観音さんに陽の光がさすと、本当に柔らかい良いお顔をされます。
コロナ前だったからできたもので、本当に贅沢な時間だったと思います。
これまで大切に守ってきたから、何かあってはいけない。
どうしても守りに入らざるを得ない状況に地元では葛藤しています。
これからも観音さんと拝観者と過ごす時間が続いてほしいからこそ、開けたいけど開けられない。
「わしは開けたかったな。
コロナの時にこそね、ほんまは開けてね。
観音さんを拝んで安心したいという人もいるやろし、コロナ早く終息するようにお願いに来てくれる人もいるやろうし」。

観音さんのこと、拝観者の方とのエピソードになると素敵な笑顔をお見せくださる。
取材中はどうしてもコロナの話題で不安な話になりがちですが、コロナ前の拝観者対応をされていた頃のお話を尋ねました。
「お客さんとの会話で教えてもらえることもあるし、帰り際に「素晴らしい観音さんですね、ありがとうございます」と言われるとやっぱり嬉しいわ。
そいで、また来てもらえるのは有り難い。
お守りにも力入る。」
とにっこりとお話してくださいました。
きっと拝観対応されてきた時間が素敵なものだったのでしょう。
観音さんも、拝観対応する地元も、拝観者も皆が「会いたい」の気持ちが膨れ上がっている今。
コロナが落ち着いて、また観音さんと、拝観対応するお当番さんと、拝観者が再会した時の気持ちを思うと胸が熱くなります。
少しでも早くコロナが収束しますように。