昭和の文豪・井上靖の記念室へ行ってきた!

長浜市高月図書館の2階に昭和の文豪・井上靖の記念室があります。

今から約50年前、朝日新聞紙上で連載された『星と祭』の舞台となった長浜。

長浜とゆかりある井上靖の

当時、井上靖が足を運んだ様子知るため、記念室を見学してきました。

 

井上靖とは?

井上靖といえば、教科書でもお馴染みの『しろばんば』『あすなろ物語』や歴史系の『風林火山』『敦煌』などで知られる昭和の文豪です。

そんな井上靖の晩年の作品、『星と祭』は滋賀県、特に湖北を舞台とした小説です。

※『星と祭』のストーリーはこちらから

 

井上靖がみた湖北の観音信仰

井上靖は『湖北妙音』の序文、随筆『美しきものとの出会い』にて、湖北の観音信仰について次のように表現しています。

こうした湖北の仏さまたちが、鎮護国家とか、仏法守護とか、そういったものとは、さして関係なく、専ら地方の庶民の生活の中に入り込んで、素朴で、切実な庶民の信仰の対象になっていることであった。

『湖北妙音』序文より

 

十一面観音さまは、鎮護国家とか、佛法守護とかいったものとは関係なく、専ら地方の庶民の生活の中に入り込んで素朴で誠実な庶民の信仰の対象となっていたのである。

安産の約束も守ってやらねばならぬし、長命のお願いにも耳を傾けてやらなければならぬ。

部落内の揉め事、男女の争い。

集落の守り仏である十一面観音の持つ仕事は、さぞ広範囲に亘っていたことであろう。

『美しきものとの出会い-十一面観音の旅-』にて

 

また『星と祭』でも、当時の村人たちの素朴な信仰のかたちをうかがえる文章がいくつも登場します。

・石道寺の村人の様子

「観音さまのことを褒められ、みな我がことのように悦んでいる」

「真剣に十一面観音さまをお守りされている素朴で信心深い、心のきれいな人たち」

『星と祭』は小説という形態を取りながらも、当時の湖北の観音信仰の様子を伝えています。

小説を読んだ各地の人々が足を運び、やがて長浜は「観音の里」と呼ばれるに至ります。

井上靖は『星と祭』を完成させてからも度々、湖北に足を運びました。

井上靖記念室はどんなところ?

そんな「観音の里」と縁が深い井上靖の記念室が高月図書館内にあります。

記念室には井上靖が書いた『星と祭』原稿(複製)や実際にお参りしている写真などが展示されています。

また、地方仏ファンの間で有名な丸山尚一や井上靖自作の十一面観音分布図なども、展示されています。

無料でこれだけの資料が観覧できるのは有り難いです。

 

井上靖は国宝維持保存協賛会の協力を得つつ、湖北の観音堂を取材して歩いたそうです。

昭和47114日、渡岸寺観音堂収蔵庫の落慶遷仏法要で講演した井上は、「戦乱や戦争のないこの平和な時代においては、衆生を救うという観音様の本来のお姿におかえしすべきだ」と秘仏公開を説きます。

これ以降、長浜では徐々に村の外からの拝観者を受け入れるようになり、現在、観音フェスとも呼ばれている「観音の里ふるさとまつり」が開催されるようになっていきます。

高槻図書館内にある小さな記念室ですが、そこには湖北と井上靖の深い関わりが感じられる空間です。

『星と祭』に思いを寄せる方、井上靖ファンの方にはぜひ、お立ち寄りいただきたいところです。

詳細・アクセス

井上靖記念室を見学される際は、高月図書館職員さんにお声掛けください。

・入館料:無料
・住所:滋賀県長浜市高月町渡岸寺115
・電話番号:0749-85-4600
・開館時間:午前10時から午後6時まで
・休館日:月曜日 火曜日 毎月最終木曜日年末年始(12月28日から翌年1月4日)特別整理期間
・URL:https://lib.city.nagahama.lg.jp/index.php?flg=topics&sflg=14

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