二上観音堂 33年に一度のご開帳へ

ご開帳の幡には、サルボボさんもご一緒で、参拝者をお出迎え

福井県福井市二上町にある二上観音堂。

こちらのご本尊の十一面観音は、33年に一度開帳される秘仏です。

2023年5月4日、5日に33年ぶりに開帳されるということで、お参りしてきました。

 

 

観音堂は文殊山の麓に位置し、奈良時代には東大寺の初期荘園である糞置荘が開かれていたという。

奈良・正倉院にある地図の中に、糞置荘の地形図が記されており、その地図と現在の地形や景観と見比べてみても一致するとのこと。

今日、自分が歩き、目にした景色というのは、その頃から大きく変わっていないことに驚き、立ち止まってぐるりと見渡しました。

 

ご開帳では、そのお姿がみえるまでのドキドキがたまりませんね。

立って近づくと御簾がお顔にかかっていたので、屈んでそのお顔を拝みました。

仏像は座って、手を合わせ、そこからみえたお顔が一番と思っておりますので、この瞬間こそ緊張と期待でまぜこぜになります。

 

33年に一度、開帳される観音さんは、細い連眉にキリッとした眼差しからシャープな印象を受けつつも、大きなお耳がバランスをとっている感じ。

拝観の際は、どなたかに似ていると思いながら思い出せませんでしたが、翌朝起き抜けに「広島の龍華寺の観音さんに似ている!」と思い出しました。

どちらもスラリとした格好いい方です。

 

裳の折り返しのひらひら具合が軽やかで、現代のモデルのようなスラリと長い足がまた美しい。

まさにてっぺんからつま先まで綺麗なお方でした。

※お像の解説は、文化遺産オンラインにございました。

 

33年ぶりということで、地元の方々がご開帳に合わせて、階段の手すりや観音堂に足場をつけ、解説シートに特製クリアファイルなどを準備してお迎えしてくださいました。

秘仏をここまで明るくはっきりとお姿を拝めると思っておりませんでしたので驚きました。

恐らく、お堂も合わせて照明を明るくされたのではないかと思います。

地元の方々のお気遣いには頭があがりません。

 

お堂の手前にあるテント下で少し休憩していると、地元の方々が楽しそうにおしゃべりされていました。

お参りにお越しの方々は全国津々浦々。

それに驚き、自分たちのほとけさんを誇りに思うおしゃべりにしばし耳を傾けました。

帰り際に、お孫さんと思しき青年に手をひかれて、観音さんを拝むご婦人を見かけました。

ふたりで観音さんを見ながら、お話をされ、一緒に手を合わせる。

それを見つめる観音さん。

きっと33年前も、その前も、同じような景色を観音さんは眺め、村の移り変わりや人々の成長などを見守りつづけてきたのでしょう。

やはりご開帳の空気感は好きです。