観音文化伝承事業を受託します

「観音の里・祈りとくらしの文化伝承会議」から事業を受託することとなりました!

▼NHK関西ニュースで放送されました!

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200511/2000029512.html

これまでの「観音の里・長浜」の文化振興事業

長浜市は2014年、2016年と2度にわたる「観音の里展」の開催やびわ湖KANNON HOUSEの運営など、首都圏へのアプローチを行なってきました。

このような観音文化振興を進めていくなかで、地域おこし協力隊で「観音の里プロジェクト」という募集も生まれたのでは?と思います。

観音文化振興の効果もあり、観音の里へ足を運ぶ人も増えてきましたが、その一方で拝観受け入れ体制の整備や継承者育成などの課題が浮き彫りになりました。

そして観音文化伝承会議の発足

これらの課題と向き合うために、観音像などホトケさんをお守りしてきた所有者代表さんを中心に構成される任意団体の「観音の里・祈りとくらしの文化伝承会議」が(以下、「観音文化伝承会議」)が2020年4月1日に設立されました。

 

設立目的は下記の通り。

  • 長浜市における観音文化を伝承するため、長浜市内の観音像など仏像・神像がおかれた状況を調査・把握し、その伝承のあるべき姿を検討すること
  • 来訪者がスムーズに観音像やホトケを拝観できる受入れ体制の整備を行なうこと

 

観音ガールがやること

そしてこの度「観音文化伝承会議」から受託しました事業は主にこちらの2つ。

  1. 市内の仏堂実情調査(安置されている仏像などの状況と維持管理体制調査)をすること
  2. 長浜独自の観音文化と仏像をどのように継承していくか、村の方々と相談し、取り組んでいくこと

私自身が感じている観音文化の魅力を発信することを行ってきましたが、村で観音さんたちをお守りされている方々にとって「観音文化とは」どのようなものであり、誰にどのようなこと伝承したいのか、一緒に考えていくことが必要だと思います。

「湖北の観音信仰」は「感謝」する気持ち

ところで「観音文化」「観音信仰」ということばを聞いた時に何をイメージするでしょうか。

宗教的で、崇高な、格式ばったもので、気軽に赴くことが憚られるもの。

年配の方々が関わる、とても遠い存在のようなもの。

 

しかし、観音文化を受け継いでいる世話方さんたちとお話をしていると、湖北の観音信仰は観音さんという存在に縋りつくようなものではありませんでした。

湖北の観音信仰は「観音さんたちに当たり前のことを感謝すること」ではないかと思います。

 

「おかげさんで、今年もみんなで新年を迎えることができました」
「今日も何事も悪いことは起こらず済みました、明日もよろしくお願いします」
「いつも家族と村を守ってくれてありがとうございます」

 

「湖北の観音信仰」は観音さんという存在は縋りつく対象ではなく、日常の感謝する対象なのでしょう。

 

「きいてな、観音さん。うちの夫(ひと)がな、こんなこと言うてきたんや」
「観音さん、どうしたらえぇと思いますでしょうか」
「観音さんのお顔をみるとな、ほっ     とするんや」

その一方で、観音さんたちは悩ましいとき、気持ちが落ち着かないときに、喫茶店で誰かに相談するように、こころの中で、ぽつりぽつりと話しかける対象でもあります。

観音さんたちに話しかけることで、自分が抱いていた気持ちと、一つ一つ向き合う。

だから、ひとつの悩みを越えたときに「ありがとう」とお礼参りしたくなるのでしょう。

 

それは私たちが日常的に誰かに相談して、ありがとうと感謝することととても似ているように感じます。

その場合、友人や先輩、親兄弟が観音さんと同じことをしていただいているのですね。

湖北の観音信仰は家族に対する愛情や親しい人に対する思いやりにとても似ていると思います。

 

 

 

 

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中日新聞に掲載