講演会「地域の仏像を守りつなぐ」ふりかえり
先週は講演会「地域の仏像を守りつなぐ-観音の里・長浜と仏像修理工房・三乗堂-」にて三乗堂さんとともに登壇しました!
当日お越しくださいました皆様、ゲストの一般社団法人三乗堂の皆さん、準備をしてくださった長浜市の皆さん、ありがとうございました!
一般社団法人三乗堂さんは、栃木県鹿沼市にある仏像修理工房です。
三乗堂さんとの出会いは、滋賀県へ移住して1年経つかどうかという頃でした。
日光山輪王寺の二天門を守護してきた「風神・雷神像」を後世にも伝えるため、オリジナルのお像は適切な環境で保存することになり、新たに二天門を守るための「風神・雷神像」の複製像制作が依頼され、その費用の一部をクラウドファンディングするというプロジェクトを立ち上げていました。
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依頼主さんとの関係性であったり、当時お寺や仏像関係のクラファンがあまりなく、自分がやりたいと思っていた仏像に関わる人を応援するというところで、ぜひお話をお聞きしたいと思っていました。
そんな三乗堂のお三方に、ぜひお会いしたいと猛プッシュをし、ありがたいことにご承諾くださり、とても楽しく良い意見交換ができました。
そのときのご縁をまたどこかで、ぜひ仏像を守ることについて発信する機会をと勝手ながら思っており、今回実現しました。
仏像を守る、を考える
仏像を守りたいと思っても、何ができるのか。何が必要なのか。
それは大切なものであるという認識がありながらも、なぜ大切なのか、誰にとって大切なものなのか、ということがあまり話されていないように感じています。
時代を超えて守られてきたものを過去の人、未来の人のために守る。
道理はわかっていても、私たちと仏像の接点、どのような関わりがある存在なのか分からない。
守るといっても心の奥底で納得がいかず、守ろうという気持ちになれないこともあるでしょう。
そんななか、仏像を守ることに関わる方々で対談する機会をぜひ作りたいと思っていました。
仏像を守る、その意味、自分にとってどのように考えているのかを言葉にすることで、登壇者も聴講者も改めて考える機会にしようというものでした。
そんな対談のテーマは、以下の4つとしました。
- 仏像をはじめ文化財を守ることについて
- 仏像に関心をもってもらうには?
- サポートの大切さと葛藤について
- 守りつなぐためにできること
実際に対談を進めていくと、共通、共感するものはありながらも、「守ることについて」「大切にしたいという気持ちの源」が一人一人の体験を通して語られるので、ひとりひとりの言葉から現れる所蔵者さんの姿も目に浮かび、それに対する葛藤や心からよかったと思えたことも伝わってきました。
仏像が好きな方々から地域で守られている仏像のこれからを心配する声も聞いていますが、その実態を知りたくても、その現場にいなければ知ることができない。
そんな世界を依頼者の方々との関係性を構築され、できる限り発信されている三乗堂さんの姿は素晴らしいと改めて思いました。
それぞれのフィールド、立場で「仏像を守る」ことに
色んな立場の方の言葉を聞き、またそれに対して様々なことを考えたいと思いますし、それをメインフィールドである湖北、そして滋賀県に持ち帰りたいと思います。
今後またこのような機会をつくったり、インタビューしたり、ポッドキャストしたりしたいと、やりたいことリストが増えました。